スポンサーリンク

制度の意義の無理解

12月12日から13日の報道を見る限り、ふるさと納税の高額返礼品を問題視した総務省が発端となり、見直しが2019年6月にも行われる事になりそうです。
さて、こんな風に見直されるふるさと納税は世紀の悪法なのでしょうか。
こんな事をして誰が得をするのでしょうか。
今回はこの件について考えます。

ふるさと納税の仕組みのおさらい

こちらの記事でも書きましたが、ふるさと納税はあくまで寄附行為であり、我々の意思で出来る数少ない税金の移転・再配分を可能にする制度です。

過去アップした画像も再度上げておきます。
自治体は自分たちの努力次第で、国からの地方交付税が期待できないとしても、知恵を絞って自分たちでお金を確保する道筋が立てられる。
それが、この制度の意義であり、1番の存在理由です。
これを踏まえた上で、今回の見直しを考えてみます。

見直しの概要

総務省の調査結果で、総務省が通知を再三出してからも、返礼割合が3割を超えている自治体および返礼品が地場産品でない自治体名が公開されています。
要するに、総務省は、
  • 返礼割合が3割超え
  • 地場産品以外を返礼品としている
この2点に対して怒っている事が見て取れます。
今回行われる見直しでも、この事がそのまま、または微修正の後に盛り込まれる可能性はかなり高いと考えた方がいいでしょう。

何が問題なのか

総務省の言い分を推察する

総務省がこの2点について怒っている理由は何なのでしょうか。
考えられる事は、地場産品でない、高額返礼品を送る事は、応援したい自治体に寄付をする、というふるさと納税の本来の趣旨に反する、というものでしょう。
確かに、この時期流れるCMを見ると、寄付というよりは通販に毛が生えたような宣伝を多く見かけるので、上に書いたような意見がわからないわけではありません。

高額、地場でない返礼品の何が悪い?

では、皆さんに質問です。
高額かつ地場産品でない返礼品を出すとして、一体誰が泣くでしょう。

もう一度画像を見て考えてください。

もしも寄付先の自治体が赤字上等で返礼品を用意するならば話は別ですが、寄付された範囲内ならば、多少の手間はあるかもしれませんが、別に困る事はないですよね?
元々はなかったお金なので、入るだけありがたい、となるはずです。
返礼品を仕入れれば、たとえそれが地場品であろうがなかろうが、少なくとも返礼品を供給する側からすれば関係ないですよね。
泣く側は、この中であれば納税者が住んでる自治体で、2000円を残して税金が無慈悲にも吹っ飛んでいきます。
でも、それは考え方によってはどの自治体も同じ土俵にいるわけなので、取られて悲しいならば取り返せばいいはずです。
地元に特産品がない自治体でも、魅力的な返礼品を安価に仕入れれば、それだけ実入りを増やせる。
少なくとも今はそういう状況でした。

流出額の大きい自治体の怠慢

最近はこの返礼品合戦に疑義を唱えるような論調が目立つように感じます。
実際、杉並区なんかは明らかなネガテイブキャンペーンを自治体HPで公開しています。
税収が14億円近く流出した、行政サービスの質が落ちる、だからおかしい。
こんな三段論法が取られています。
さて、翻って、自身は特筆すべき特産品を持たないが、ふるさと納税で上位に上がってくる泉佐野市の特設サイトなんか見てみると、涙ぐましい努力が伝わってきませんか?
私に言わせれば、税が流出する一方、と言ってる自治体の皆さんは、泉佐野市の半分でも努力したのでしょうか?
なぜ税が流出する一方なのか、少しでも考えた事があるのでしょうか?

返礼品目当ての何が悪い?

もう制度の見直しは始まる事になっているので今更ですが、なぜ返礼品目当ての制度がいけないのでしょうか?
上でも過去記事でも再三書きましたが、制度の創設当初のコンセプトはどうあれ、この制度の意義は、国会議員や役人が何を言おうと、我々が税金の移転を自分の意思で決められる事です。
そして、この制度は自治体側からすれば、自分たちが努力さえすれば、地方交付税に頼らない独自の財源を勝ち取る事が出来る数少ない制度です。
返礼品目当ての人たちを集めて、一体何が問題なのでしょうか。
これを踏まえて、もう一度見直しの概要を書きます。
  • 返礼品割合が3割超え
  • 地場産品以外を返礼品としている
この2点を総務省始めお役人の皆さんは見直そうとしています。
こんなの、はっきり言って特産品を持たない自治体に死刑宣告を突きつけるようなもんです。
総務省からすれば
「特産品がないなら作る努力をしなさいよ」
とでも言いたいのでしょうか。
先程例示した泉佐野市の地場品をリンクで貼りました。
現況も市のHPから取りました。
関空始め交通の要所として認識されている町で、特産品をどう育成しろというのでしょうか。
総務省通達に従うなら、上で示した特設サイトみたいなお肉なんか絶対出せなくなります。
自治体の努力の手を1つ潰すような通達がもし法改正案に盛り込まれたら、それこそ制度自体が萎んでしまわないでしょうか。

官僚の無知…そして邪推を1つ

官僚の無知

もし上に書いたような事が想像できていないのであれば、それは制度を創設した官僚たち自身が制度の意義を理解していない事の証左ではないでしょうか。
それに、そこにストップをかけれない現総務大臣の石田氏も前総務大臣の野田氏も、やはり何もわかっていないと言わざるを得ません。

邪推

…そして、今の完全に私の推測ですが、もしかしたら、官僚の皆さんは、そして国会議員の皆さんは、地方交付税とは関係なしに税を勝手に再配分される事が本当は面白くないのではないでしょうか。
暗に、この制度を潰してしまい、制度創設前の、地方交付税を盾に自治体の生殺与奪を握っていた時代に戻してしまいたい、と思っているのではないでしょうか。
もしそうならば、自分たちには権威は戻るでしょう。
が、それこそ国の中枢の傲慢、と言わざるを得ない。
…この邪推が外れていてくれることを願わずにはいられません。

まとめ

最後は自分の推測を元にあれこれ論を展開しました。
この制度のよくできてるところは、税の再配分と、納税者の欲求とをうまく結びつけて、税の移転を我々国民の手で出来るようにした、という事です。
それを頭の片隅に起きつつ、少なくとも来年の6月までは今の制度の恩恵を享受する事をお勧めします。
この記事が何かのお役に立てば幸いです。

Source: 積立投資健忘録

スポンサーリンク
おすすめの記事