FX初心者脱却を目指す方向けのFXの失敗しない始め方の講義「FXに参加するプレイヤー」の第7回目はヘッジファンドのうちのモデルファンドの中でも、近年注目されているCTAとHFT解説です。

 

まずはCTAについて説明していきましょう。 CTAとはCommodity Trading Advisorの略です。直訳すると商品取引アドバイザーとなり、元々は穀物や原油、貴金属など商品先物専門の運用業者でした。

 

商品先物専門運用業者から始まったという歴史から、今でも現物売買は一切行いません。しかし、運用先についてはその幅を広げ、商品だけでなく、株式、債券、FXなども扱っています

 

MITなど理数系一流大学出身の“天才”が、統計学や金融工学に基づき、独自に開発した自動売買プログラムに基づいて、24時間365日休まずに売買を行う、いわゆるアルゴリズム取引を行なっています。プログラミングに特化しており数学や統計学の専門家を中心に運営されていることが特徴で、ファイナンスや金融の専門家はあまり見当たりません。なかには、金融の専門家を全く採用していないケースもあります。

 

彼ら数字の専門家が、過去の価格の動きから株式や為替(FX)市場の癖のようなある一定のトレンドを見つけ出し、そのトレンドに応じた投資を行い、収益をあげるわけです。したがって、投資手法は、トレンドフォロー型が基本です。

 

CTAが注目されるきかっけとなったのが、2008年のリーマン・ショックです。2007年のサブプライム・ローン問題というアメリカの住宅ローン問題に端を発したこの金融危機は、当初はアメリカのローカルな問題と捉えられていました。しかし、大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが過去最大の約64兆円(6150億ドル)もの負債を抱えて経営破綻に追い込まれたことをきっかけに世界金融危機に発展、日本でも日経平均がわずか1ヶ月で半値以下となる大暴落となりました。

 

アメリカの代表的な株価指数であるS&P500は2008年通年で前年比37%も下落、それまで大きな利益を挙げ続けてきたヘッジファンドも軒並み大きな損失を出し、多額の資金が流出しました。

 

しかし、こうしたなかで、バークレイズ・インデックス(Barclay Discretionary Traders Index)のようなCTAによる指数は、10%以上も上昇しました。人間の手を介さず、自動売買プログラムによったCTAのアルゴリズム取引手法が、リーマン・ショックのようなマーケットがパニックを起こしていた状況では有効だった、ということです。

 

その後、CTAの運用額は増え続け、2011年には約3兆5千億円(320億ドル、バークレイズ調べ)だったのが、2014年には約21兆円(1900億ドル、ユーレカヘッジ調べ)と急成長を続けています。つまり、CTAについては特にその動向をウォッチすることが、必要だということです。

 

CTA以上に近年注目されているのが、HFT(High Frequency Trading)と呼ばれるモデルファンドです。これもCTA同様に、人間ではなく、統計学や数学専攻の“天才”が作成した高度なプログラムが運用を行うアルゴリズム取引です。High Frequencyというその名の通りプログラムが高頻度に、そして高速で売買を繰り返し、収益を上げていきます

 

従来のアルゴリズム取引との相違は、頻繁に取引を繰り返し、ポジションの保有期間が短いことです。1日のうちに大量の発注をし、またキャンセルを行い、発注量の半分以上がその日のうちに取り消されます。それでも、日々の取引収益が全体収益の半分以上を占めている、いわゆる巨大デイトレーダーともいえるべき存在です。

 

HFTについては分かりづらいのでそのカラクリについて、少し説明しましょう。電子取引システムや取引所の間には、情報共有を行うために非常にわずかですが、時間差が存在します。HFT はこの時間差に目をつけ、それよりも速く1000分の1秒単位の超高速で裁定取引を行えば収益を挙げられる、という発想から生まれました。

 

そのため、超高速であることが必須で、大規模なサーバーを有しています。また、回線速度が遅いと致命傷となるため、先物取引所があるシカゴ、為替(FX)や株式の取引所として世界最大のロンドンやニューヨークにその拠点を置き、そのサーバーを取引所のサーバーと直接つないでいます

 

HFTは、インターバンク市場でのオファー(買い値)とビッド(売り値)の間のスプレッド(差)であるビッド・オファー・スプレッドを主な収益源としています。市場に売りと買いの両方の注文を出しておき、他の投資家の取引相手となることで、ビッド・アスク・スプレッド分を利益とする戦略です。

 

この取引をするのに必要な条件が流動性の高さ、つまり多くの参加者がいるということです。

 

この流動性の高さを測る基準は3つあります。

 

ひとつめは、スプレッドが小さいこと。流動性が高いとスプレッドは小さくなる、つまりその為替(FX)取引への参加者が多くなればなるほど、スプレッドは小さくなります。

 

ふたつめは、その為替(FX)取引への参加者、つまりオファー(買い値)注文数とビッド(売り値)注文数です。その分だけ、取引が可能となるからです。ビッド数とオファー数を平均した数で注文数を判断します。

 

そしてみっつめは、取引時間の短さです。上記ふたつの条件が揃っても、取引に時間がかかれば、全ての注文をその小さなスプレッドで実行できなくなってしまうからです。ビッド、オファーの気配値が継続的に表示されていることが、みっつめの条件となります。

 

このように、HFTは流動性が高くなり注文数がビッド、オファー共に多く、継続的に表示され、スプレッドが小さい時を狙い、大量に買い注文と売り注文を出すわけです。そして、取引所間の情報共有のわずかな時間差をついて、銀行のように価格を提示することで、取引への参加を募ります。

 

当然その際のスプレッドは、決済時よりも僅かですが大きいわけです。そこで注文が集まれば、先の取引に決済注文を入れ、自分が募った取引にも決済注文を入れることで、利益を挙げます。スプレッドは小さくても、大量の注文を出すことで、塵も積もれば山となる、というわけです。

 

取引への参加者が集まらなかった場合は、先の注文へのキャンセル注文を出します。こうした仕組みにより、HFTはその日のうちの取引の収益が全体の半分を占める一方、キャンセル率も半分を占めるということになるのです。

 

たとえば、オファー(買い値)が1ドル=110.404円、ビッド(買い値)が110.407円という値段を継続的に提示します。この値段で投資家が同数集まり注文が決まると、1取引あたり売り0.003円、つまり0.3銭の利益を得ることができます。1000万分の発注をしていれば3万円の利益となります。こうした取引が1日に1000件成立すれば、1日3000万円の利益となるわけです。

 

HFTは、このように銀行と同じく、為替(FX)市場に価格を提示するマーケット・メイク機能をもっています。したがって、市場に流動性を与え、変動率を抑えているということになります。

 

しかし、大量の発注やキャンセル、特に誤発注はマーケットを歪めているという考え方もあります

 

いずれにしろ、HFTがマーケットにとって無視せざるをえない存在といっても、過言ではないでしょう。

 

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Source: FX常勝方程式国会議員今井雅人〜FX 初心者の口座比較や入門書に〜

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