先日レオスキャピタルワークス(以下レオス)からひふみプラスの運用報告書が上がってきました。

インデックス投資をメインにしている人間からは何かと目の敵にされがちなアクティブファンドですが、果たして今回の運用報告書で何を語るのでしょうか。
今回はこれを参考に、ひふみプラスのまとめをしてみます。

投資戦略

運用報告書の7ページ頭に書かれていますが、ひふみプラスは参考とするベンチマークを持っていません。
同じページの下の方に今後の運用方針が書かれており、これがレオスの考え方をよく表しています。
彼らがポイントとしている部分を抜粋します。

1)世界的な金利上昇局面、かつ株式市場の変動率が上昇する中で、競争力のある企業に的確に投資をしていくこと 

2)米中貿易戦争の拡大に伴い、内需企業で米中貿易戦争にまったく関係のない、当社の得意としている地味で地道な企業にしっかり投資をしつつ、一方で米中貿易戦争により漁夫の利をとれる企業をしっかり発掘していくこと

 3)第4次産業革命といわれるIoTや自動化などの恩恵を受ける企業を見出して、しっかり投資をし続けていくこと

ひふみプラス運用報告書より

特にレオスの考え方がよくわかる部分を赤くしてみました。
レオスは仮に景気が後退する局面になっても、彼らのいう地味で地道な企業にとってのダメージは軽微であると考えている模様です。
そして、各所で言われていますが、このような銘柄を彼らは自分の足で探し出してきたし、これからもそうする、との事です。
簡単に言ってしまうと、要はバリュー投資になるんでしょうけど、そこに彼らの想いを載せた報告書であると感じた次第です。

基準価額・資産規模

レオスのトップページにあるデータから数字を取りました。
数字は12月5日現在のものです。
  • 基準価額:37,943円(前月比-0.88%)
  • 純資産総額:約6,052億円(前月比+0.66%)
HPで実際に調べてみるとわかりますが、基準価額は結構せわしなく動いてますね。
また、運用報告書によると、一年前と比較すると純資産総額は倍近くに成長しています。
このファンドが投資家の心を、それが投資家からしたらどんな動機にしろ掴んでいると言えます。

信託報酬

信託報酬はアクティブファンドだけあって高めです。資産残高に対して三段構えの報酬体系を取っています。

純資産総額

信託報酬

~500億円

1.0584%

~1000億円

0.9504%

1000億円以上

0.8424%

今の純資産総額は約6052億円なので、手計算でざっくり0.87%が12月5日現在の信託報酬、という事になりますが、運用報告書を見る限りその辺は計算通りにはなってなさそうです。
(資産の割合に応じて按分しながら計算したので、もし計算間違いがあったら連絡をください)
まあ、純資産総額の増加率がここ最近まで凄かったので、正確な隠れコストなども算出出来ないというのも大きいとは思います。
どちらにしろ、インデックスファンドが0.1%代でしのぎを削っている事を考えると、ここはどうしても見劣りしますね。
そして、運用報告書の値を信じると隠れコストも約0.2%程度は乗っている模様です。
その内訳はほぼ全てが売買委託手数料となっており、このファンドが機動的に銘柄の売買を繰り返している事をよく表しています。
まあ、もしかしたら短期売買目当ての投資家の度重なる解約や買い入れによって仕方がなく売り買いしている可能性も無くはないですが。
運用報告書の受益者の設定数と解約数のバランスを見る限りその可能性は低いと思います。

騰落率

第7期運用報告書の数字を拾うと、騰落率はこんな感じで推移しています。
  • 3期:+24.7%
  • 4期:+16.8%
  • 5期:+7.1%
  • 6期:+37.5%
  • 7期:+16.6%
今のところリターンは凄まじいの一言です。
リターンはかなりアグレッシブな印象を受けますが、5ページに彼らの運用に対する考え方が上の引用以上にアグレッシブに書かれている箇所がありますので、これも引用します。

ある程度の能力と経験のある人達が力を合わせて一生懸命努力を続ければ、失敗や成功を重ねながらも、長 い期間の中で見ると概ねよい結果が出るはずだというのが、わたしたちの考えです。

「守りながらふやす」運 用を続けながら、お客様に「ひふみプラスを持っていて良かった」と思っていただけるような運用を今後も行 なっていきたいと考えております。

「守りながらふやす」とは具体的にいうとシャープレシオが高い運用です。

シャープレシオとはリターンを リスクで割ったものですが、この数値が高いほど運用能力が高いとされています。

リターンが高く、リスクが 低ければ、この値が高く出てきます。

ひふみプラス運用報告書より

今までも耳心地のいい言葉が出てきたりしてますが、ここでようやく本質的な話が出てきたと思います。
更に読み込んでいくと、値上がりした銘柄は部分的に売却し、株価が出遅れている銘柄を買い足したりと言ったことが続けて書かれてます。
よく資産運用の本なんかに出てくるリバランスを行なって、ポートフォリオ内の銘柄への偏りを極力防ごうという姿勢が見て取れます。
そもそも238銘柄も保有している事から、ある程度の分散は取れているのでしょうが、この辺は一投資家としても参考になるでしょう。

留意点

ここまで比較的好意的に記事を書いてきたつもりですが、このファンドに対する留意点も当然あります。

アクティブファンドです

1つ目は、何度も書いてますが、このファンドがアクティブファンドである、という事です。
詰まる所、藤野氏はじめレオスの運用者にこのファンドの全てがかかってます。
運用方針がガラッと変わったり、運用者の誰かが引き抜かれて運用の腕が変わったり落ちたり、となると投資家はその全てを被る事になります。

過去は所詮過去

過去の運用は凄まじいと書きましたが、未来もそうである保証はどこにもありません。
実際純資産総額もしばらく横ばいみたいですし、基準価額の騰落率もここ最近だけ見るとマイナスが目立ち寂しい感じです。
今後どこまで彼らが選定する日本銘柄および海外銘柄が伸びるのか、それは時間が経過しないとわかりません。

手数料はそれなり

一時の、売買だけでパーセントオーダーでお金をもぎ取られるような感じではありませんが、それでもインデックスファンドと比較すると手数料にはやはり気を配るべきかと思います。
世界経済が停滞しているときは、当然ひふみのポートフォリオも市場平均すらアンダーパフォームする可能性がありますし、その時は手数料分更にパフォーマンスは落ちます。

所感

少なくとも過去においては凄まじいパフォーマンスを誇っているファンドですが、毎日基準価額や経済指標とにらめっこをするのが辛い人にとってはジェットコースターにでも乗ってるような感覚を覚える事があるでしょう。
ひふみプラスの運用報告書では、そんな事がないようにしますと言った内容が書かれていますが、ハッキリ言ってインデックス運用以外でそんな事不可能に近いと思います。
そういう意味では、個別銘柄とそう大差はないと言えるでしょう。
もちろん、彼らの投資に対する姿勢や、報告書の文面に出ている文言は素晴らしいものもありますので、そこに共感できるかどうかが、このファンドを保有するかどうかのポイントになるでしょう。

まとめ

色々書きましたが、やはり買い付け前にはここに書いた内容はじめ、目論見書なども十分に確認した上で、納得した上で投資判断をするといいでしょう。
私は藤野氏の書籍でお金についての考え方を教えてもらったと思っているので、その恩返しも兼ねて少額ですが積み立てて行こうと考えています。
(マーケティング戦略にハマった、とも言えそうですね)
この記事が何かのお役に立てば幸いです。

Source: 積立投資健忘録

スポンサーリンク
おすすめの記事