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FX入門者から初心者脱却を目指す方向けのFXに参加するプレイヤーの第2回は銀行と投資顧問についてです。

 

銀行は、顧客から預かっている円預金を外貨に替えて投資すること(円投という)は、あまり行いません。短期市場で外貨を調達し、その資金で外国債券を購入し、その債券の値動きを狙って収益を上げるという取引が中心です。

 

したがって、銀行が大量に米国債を買ったとしても、為替(FX)相場に影響をおよぼすことはほとんどありません。ただし、早合点する方がたまにいらして、銀行の大量の米国債買いという情報でドルが買われるというケースがあります。もちろん、勘違いに基づいた投資行動なので、すぐ元のレートに戻ってしまいます。

 

しかし、銀行は、外貨投資に伴う為替(FX)取引だけでなく、外貨を売買することによって為替差益を確保するという取引も行っています。「為替ディーリング」と称される取引です。メガバンクの場合1000億円以上のポジションをもってディーリングを行っている場合があり、すべての日本の銀行が行っている為替ディーリングの金額を合計すると、数兆円単位の巨大なポジションとなります。

 

実は、銀行には、あらゆる為替(FX)取引の情報が流れてくる仕組みになっています。まずは、インターバンク市場という、主に銀行だけが取引に参加しているマーケットがあります。

 

輸出業者や輸入業者、ヘッジファンド機関投資家、投資顧問会社など銀行以外の企業が為替(FX)取引を行う際には、インターバンク市場での取引に参加している各銀行に対して、為替の売買注文を出してきます。そのため、銀行は、あらゆる投資家の為替取引の状況を把握できる立場にあるわけです。

 

その情報量は、まさに驚くべきもので、各銀行がもっている情報をすべて集めると、為替(FX)取引の状況はほとんどわかってしまう、と申し上げてもいいほどです。

 

では、銀行のなかでは、どのような取引が行われているのでしょうか。銀行の為替(FX)ディーラーは、3種類に大別されます。カスタマー・ディーラー、インターバンク・ディーラー、そしてプロップ・ディーラーです。

 

カスタマー・ディーラーとは、顧客と為替取引を行なっているディーラーのことです。機関投資家やヘッジファンド、輸出入業者らは、基本的にこのカスタマー・ディーラーに対して為替の売買注文を発注しています。そして、カスタマー・ディーラーは、顧客から受けた注文を自分自身でインターバンク市場で売買するのではなく、一度インターバンク・ディーラーにつなぎ、インターバンク・ディーラーが、他の銀行のディーラーと取引を行うのです。

 

次にプロップ・ディーラーですが、これは、自己売買を行なっているディーラーのことです。彼らは、銀行から一定の取引枠を与えられていて、自己裁量で為替(FX)取引を行なっています。自己の相場判断に基づいて為替売買を行い、銀行のために為替差益を稼ぐのが、彼らの役割です。プロップ・ディーラーも、為替(FX)取引の注文を出す場合は、一度インターバンク・ディーラーを経由して注文を出す形を取っています。

 

このように、銀行が行なっている為替(FX)取引には、顧客の注文を執行する取引と自己売買をする取引の2つの種類があるわけです。

 

ところで、銀行のディーラーの特徴ですが、常識的な考えに基づいて取引に参加しているケースが多いです。もともとが普通の銀行員なので、あまり他のディーラーとかけ離れた考え方で取引するタイプの方が少ないのです。その結果、多くの銀行ディーラーがみな同じようなポジションをもっているという現象が、頻繁に生じます

 

流れに追随して動くというパターンも、よく見られます。前述したように、銀行には世界中から為替(FX)情報が集まってくるからです。たとえば、どのヘッジファンドが購入に動いているということまでわかってしまいます。そのため、多くの銀行ディーラーは、ヘッジファンドが買うときは買う、反対に売るときは売る、という投資行動を取る傾向があります。

 

つまり、銀行ディーラーは、ポジションに偏りが生じやすいのです。実は、私は、こうしたポジションの偏りに注目して、トレードを行なっていたことがあります。多くのディーラーが一斉に同じ方向を向いて取引をしているときは、必ず、どこかの段階で相場が崩れます。気の利いたディーラーであれば、あまりに多くのディーラーが買いに回ると、一足早くポジションを手仕舞うものです。

 

ところで、日本では、都市銀行や地方銀行などの「普通銀行」に加えて、「信託銀行」という業態があります。信託銀行の場合は、普通銀行とは取引の仕方が異なります

 

普通銀行は預金を預かり、国内で貸し出しに回し、その利ザヤで収益を上げるというのが基本です。一方、信託銀行は、年金などを預託され運用しています。生命保険会社と同様に、こうした資金の一部は、外貨建て資産で運用されています。そのため、たとえば外国債券に投資する場合であれば、購入した債券の金額分だけの円売りが発生します。

 

信託銀行には普通銀行部門もあり、その部門では為替取引の発生しない金融取引も行われてはいます。しかし、信託銀行は機関投資家に近い為替(FX)取引を行うこともあることは、理解しておいたほうがよいでしょう。

 

投資顧問会社も、外国為替(FX)市場での取引に参加している市場参加者の一員です。英語ではアセットマネジメントと呼ばれます。投資顧問業の認可を取得しており、他人の資金を運用し、一定の手数料を徴収しています。預かった資金は信託銀行に信託財産という形で預けており、運用は投資顧問会社が執行します。

 

実際の売買プロセスとしては、まず投資顧問会社が銀行に電話をし、詳細な売買の指示を出します。しかし、実際に投資家の運用資金を預かっているのは信託銀行なので、その信託銀行とその為替取引を市場につなぐ銀行との間で、取引が成立します。

 

ところで、投資顧問会社も、GPIFなどの公的資金や企業の余裕資金を運用しています。行動パターンは、生命保険会社とほぼ同じ、と考えていいでしょう。日本でも、投資顧問会社は徐々に規模を拡大しており、生命保険会社よりもその系列関係にある投資顧問会社のほうが運用残高が多いケースも、少なくありません。

 

アセットマネジメントという分野には、前述した投資顧問会社だけでなく、恐らく個人投資家の方にはより馴染みのある、投資信託会社も存在します。両者の違いについては、投資顧問会社が企業や年金など法人資金の運用を行い、投資信託会社は個人資金の運用を行う、と考えればいいでしょう。ただし、近年は、投資顧問会社と投資信託会社が合併してひとつのアセットマネジメント会社になっているケースも、多いです。

 

そもそも、投資信託とはなんでしょうか投資信託協会のWebサイトによると、「投資家から集めたお金を大きな一つの資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果(注:マイナスのこともある)が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」ということになります。

 

つまり、不特定多数の投資家から集まった資金をまとめて、その運用を投資のプロであるファンドマネジャーに任せるという商品です。投資信託業務を営むには、投資顧問会社同様に、金融庁の認可を得る必要があります。ファンドに集められた資金は主に株式や債券で運用されますが、近年は、不動産で運用する不動産投資信託(REIT)も増えてきました。

 

投資信託は国内の株式や債券だけでなく、米国や欧州など海外の株式、債券にも投資しています。そのため、為替(FX)取引が発生します。海外株式や債券に投資する際に為替でのリスクヘッジをしていないファンドもあるため、こうしたファンドの残高が変化した分は為替(FX)取引が発生している、と考えていいでしょう。

Source: FX常勝方程式国会議員今井雅人〜FX 初心者の口座比較や入門書に〜

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